〜 受験生の親が自分のストレスと上手に付き合う方法とは?〜
自分の既成概念に気づき、自分と相手をともに活かす交流をめざす
『セルフカウンセリング』を普及するNPO法人です。
先日、大学入学共通テストが終わりました。
2月は入試試験が本格的に実施される時期です。
受験生を抱えた親御さんはソワソワ・ハラハラと落ち着かない日々を過ごしている事でしょう。
ネットにも受験生を抱えた親御さんのためのブログやメッセージがあふれています。
・受験生の親がしてはいけない7つのこと
・受験生の親としてどうサポートする?
・ピリピリした受験生を成功に導くために親がすべきこと
などなど。。。
どのブログ、メッセージも受験生の不安を軽減して、無事に合格する事を願って受験に臨む親子をサポートしようとする気持ちが感じられます。
どの言葉も受験生を抱える親にとって大事なことに思えます。
でも、どのメッセージの中にも一つ欠けていることがあるように思えます。
それは、“わかっていてもやめられない”という心理です。
・ピリピリした受験生に「頑張れ!」と言ってはいけない
・「勉強しなさい」との言葉が子どものやる気を奪う
・子どもを見守るのが親の役目
なんてことは、多分、おおかたの受験生の親なら分かっていることではないでしょうか?
だから、親は自分の口から出かかった言葉をグッとこらえてガマンします。
でも、その“ガマン”が親のストレスになります。
親のストレスを緩和するにはどうすればいいのでしょうか?
大学受験を控えたカズヤ君はピリピリしていました。
話しかけても返事はありません。
カズヤ君の母親トシエさんもそんなカズヤ君を見て落ち着かない日々を過ごしていました。
どうすればいいのか思い悩んでいた時、ママ友がカウンセリングの勉強をしていることを思い出しました。
トシエさんは、そのママ友に思い切って相談してみました。
ママ友は「受験は本当に大変だよね。神経がすり減るわ。私も同じよ。
私が学んでいるのはセルフカウンセリングという方法なのよ。
セルフカウンセリングのおかげで、自分のストレスと上手に付き合うことができているわ。
よかったら、トシエさんも学んでみない?」と言いました。
トシエさんはどんなものなんだろうと疑問に思いながら、セルフカウンセリングの方法を学んでみることにしました。
セルフカウンセリングは日常の一コマを映画のワンシーンのように切り取り、相手とのやりとりを具体的に書いていく方法です。
その時、自分の心の中の思いを、心の中でつぶやいたままに書きます。
自分の気持ちを思ったままに書いていくと気持ちがスーとしてきました。
・カズヤ君が勉強しないでゲームばかりしているときの不安・カズヤ君が夜遅くまで勉強しているときの体調への心配
・受験に失敗したらどうしようという不安
・カズヤ君が元気のない様子でいるときの心配
などなど。。。
場面の中で生じた気持ちを全てありのままに書いていきました。
すると、自分の気持ちが整理されてきて、気持ちが静まっていくのを感じました。
自分がカズヤ君に対する不安と心配で心が一杯になっていたことに気づきました。
〈こんなに心配と不安で心が一杯になっていたらくたびれちゃうよね。
私の心配と不安がカズヤに伝染しているのかもしれない。
もう少し肩の力を抜いてもいいのかな〉と思いました。
自分の気持ちを書いて受けとめていくと心が落ち着いてきました。
カズヤ君への心配と不安はなくなることはありませんが、心配と不安に駆られてカズヤ君に話しかけることはなくなりました。
試験シーズンを前にトシエさんは〈一番大変なのはカズヤなんだから、私は伴奏者としてついていけばいいのかな〉と思うようになりました。
親が不安に駆られると、子どもはそんな親の様子にますますピリピリするでしょう。
親自身が自分の気持ちを理解して落ち着くことで、子どもは自分の試験に集中することができます。
“子どもにしてはいけない事”も親自身の気持ちが落ち着く事で、無理にしないようにしなくても、自然にしなくて済むようになっていきます。
(渡辺康麿氏が創案したセルフカウンセリングは商標登録されています。)