セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。
セルフ・カウンセリング®の創案者である渡辺康麿先生は、かつて公民館や社会教育館で、主婦の皆さんを対象にセルフ・カウンセリング®の手ほどきをしていました。
そして、参加者の皆さんの体験記を、「妻たちのセルフ・カウンセリング」というタイトルで雑誌に連載していました。
その体験記の一部を、ご本人の承諾を得て、ブログで紹介していきたいと思います。
今回は、岸本芳恵(仮名)さんの体験記の第2回です。(全6回)
(前回までのあらすじ)
岸本さんが外に出ることにあまり良い顔をしないご主人。
岸本さんは、〈もっと気軽に外出できるようになりたい〉という思いからセルフ・カウンセリングを始めました。
岸本さんは、昨年、PTAの役員を引き受けて忙しく活動していました。
大変だけど、やりがいも感じていたところ、今年もお願いしたいという依頼が来ました。
引き受けてみたいと思いながら、〈今年も役員をしたいとは、言い出しにくいな〉と感じていた時、ご主人の方から役員について話しかけてきました。
岸本さんは、その時の会話をセルフ・カウンセリングの形で書いてみました。
岸本芳恵(仮名)さんの体験記 その2
◆岸本さんの書いた記述
(状況)
夜、夫と二人で、お茶を飲んでいたときのこと。
(記述)
夫は「PTAの役員は、もう決まったの?
そろそろ、来年の役員を決める頃だろ?」と言った。
私は〈夫の方から、PTAの事を言い出すなんて。
早く役員の任期が終わらないかと気になっていたんだろうな〉と思った。
私は「うん。だいたいはね」と言った。
夫は「来年はもういいんだろう?
今年やったんだから」と言った。
私は〈『今年もやりたい』なんて言ったら反対するだろうな。
私が出かけるのを嫌がっていたもの〉と思った。
私は「それが、執行部のお母さんから、来年も残ってねとお願いの電話があったのよ。
経験者が一人もいないと、大変だからって」と言った。
夫は「一年間やったんだから、もうやらなくたっていいじゃない。
誰か他にやれる人はいないの?」と言った。
私は〈やっぱり、反対なんだ。
どうしてそんなに反対するのかしら〉と思った。
私は「担任のT先生も、他の方は下に小さいお子さんがいるから、なかなか自由に動けないけれど、
岸本さんは最後のお子さんだから、ご奉公と思ってがんばってとおっしゃっているのよ。
T先生には、うちの子が部活でお世話になっているから、仕方がないでしょう」と言った。
夫は「PTA役員は、同じ人が何回もやるものじゃないでしょう。
いろいろな人がやるのが本来の姿だと思うよ」と言った。
私は〈そんな事、私だって分かっているわ。
でも、なかなかそうはいかないのよ〉と思った。
私は「それは、確かにそうよ。
でも、役員をやれない状況の人もいるのよ。
役員を決める時、なかなか決められないで、しーんとしているのって、先生にだって申し訳ないじゃない。
受けないわけにはいかないわよ。
その場にいないから、わからないでしょうけれどね」と言った。
夫は「そうだからと言って、無理に引き受けなくてはいけない事はないさ。
やらないときめたら、受けなければいいさ」と言った。
私は〈なんで、そこまで反対するの?
そんなに私を家の中に閉じ込めておきたいの?
自分の都合で外出する時は、家族を置いてさっさと出かけるクセに。
なんて自分勝手な人なの〉と思った。
(つづく)
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永野秀則 (木曜日, 04 5月 2023 17:12)
私は男で一回も結婚していない者ですが、私の父も母がパートに出るのをいやがっていました。私の推測ですが、夫婦の妻の方が自分の仕事中外出するのは、他の男性と仲良くしているのではないかと不安がっているのではないかと勝手に推測します。
永野秀則 様へ ブログ担当より (火曜日, 09 5月 2023 10:03)
コメントをありがとうございます。
プログをきっかけに、お父様とお母様の様子を思い出されたのですね。
あの時の父はこんな気持ちだったのかもしれない、と思いめぐらせていただけたこと、とても嬉しく思います。夫婦のあり方は、時代と共に変化します。けれども、妻とはこうあるべき、夫とはこうあるべきと言うモノサシは、知らず知らずのうちに自分の中に入っていて、無自覚のうちに、そのモノサシで相手や自分を評価することになります。セルフ・カウンセリングでは、自分の中に入っているモノサシに気づくことから、始めましょう、とお勧めしています。
岸本さんもセルフ・カウンセリングによって、どんなことに気づいて行かれるのでしょうか。
プログの後半もお楽しみに!