セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。
8月のブログは協会専任講師である吉田みどり先生のコラムをお届けします。
子どもの心に気づけなかった母親でした
私は、セルフ・カウンセリングに出合うまで、子供の思いに無頓着でした。もし、子供の思いに気づけていたら、もっと楽しかったのに、という残念な場面があります。
息子たちが5歳と3歳の頃のある夜。夫が同僚を夕飯に誘い、家に連れて来るというので、私は夕飯の支度をしていました。掃除をして、いつもより片付いた居間で、夫たちの帰宅を待って、子供たちは静かに絵本を読んでいました。台所から、居間の様子は見えないので、私は、子供たちのことを気にしていました。ふと、空気の変化を感じて、居間へ行ってみると、お兄ちゃんが、粒胡椒やら、スパイスやらを床の上へばらまいていました。弟も楽しそうな様子でした。でも、私は、「どうしこんなことをするの?」と叱りながら、掃除機を動かして、大騒動でした。
私は、詳しいことは忘れてしまっていたのですが、それから、20年以上も経て、兄息子が、私に話してくれたのです。
「あの時は、本当に残念だったんだよ。
僕は、弟を楽しませようと思って、善光寺のハトに豆まきごっこをしていたんだよ。
すごく楽しかったんだよ、ママが来るまではね」とのことでした。
ああそうだったのですね、子供には子供の考えがあったのです。忘れられないほど、楽しかったのに突然終わった出来事だったのでしょう。私はお客さんが来るので、家をきれいにして、美味しい夕飯を作ることしか頭になかったのです。
私は、良妻でありたいという欲求に振り回されてしまったのです。だから、子供たちには良い子でいて欲しい、と力で押さえつけてしまったのでした。お兄ちゃんの考えを聞いてみようなどと思いもしなかったことを思い出しました。
幼い子供でも、その行動には、その人としての意味や理由があるのですね。
とすると、ずいぶん、子供たちの行動をママの言うことを聴かない悪い行いだ、いたずらだ、と決めつけてしまったのだなあ、と気付くことができました。心、傷つけちゃったよね、ごめんなさい。ちょっと立ち止まって、私自身の欲求を自覚することの大切さを実感しました。
あの時、もし、お兄ちゃんの気持ちを聞く耳を持っていたら、一緒にスパイスではない物を持って来て、ハトのえさやりごっこを楽しめたのだと思うと、返す、返すも残念なことでした。
セルフ・カウンセリングを学び、子供たちの心に気づけたことは、私の救いになりました。その後、息子たちは、相手の心に意識を向けようとする私の姿勢の変化を感じて安心していられるようになったかもしれません。
ハトのえさまきごっこの時から、既に、40年弱の年月が過ぎました。それぞれに子供たちは育ち、大人になりました。今は、私としては、親である、子供であるという条件もはずして、家族たちと、人格と、人格として関わっています。
ただし、ここだけの話し、夫とは、難しいものです。これは今後の探求課題です。
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東 由紀子 (水曜日, 16 8月 2023 17:50)
子供との関わりになやむ母は多いと思います。いつまでも少年の心を持ち続けてほしいです。
良い勉強になりました。
吉田 みどり (金曜日, 18 8月 2023 11:42)
東 由紀子様
コメントありがとうございました。たしかに、子供との関りになやむお母さんは多いと思います。
私がセルフ・カウンセリングと出あったキッカケも子供との関りに問題を感じたからでした。
お母さんがちょっと立ち止まって、自分を見つめ、落ち着くことが大切なのだと知りました。
あるがままの自分を大切にできる家庭で、親も子も、共に心を大切に育みたいものです。