モノサシにかかわるエピソード①

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。

 

モノサシにかかわるエピソード

                 生江規子(東京都)

*私のモノサシ 「困っている人を助けること」

困っている人を助けるのは当たり前でしょ…という気持ちの中に、私の思い込みや決めつけ、

自己評価の思いが入っていることに気づいたのは、セルフ・カウンセリングに出会ってからでした。

思い込みが強くて、その結果挫折感や納得できない思いが残った、というエピソードを思い出しました。

エピソード①

小学校3.4年生のころの愛読書は「ナイチンゲール物語」でした。今でもその本の表紙や挿絵が思い浮かびます。そこに書かれている英国の時代背景やクリミヤ戦争のことまでは理解できませんでしたが、貧しい生活の中で病気になっている人や、戦争で傷ついた兵隊さんを心を込めて看病しているナイチンゲールは私のあこがれでした。単純に“私も看護婦(看護師)さんになって、困っている人を助けたい”と思っていました。

 

ある日ひとりで留守番をしている時、知らないおばさんが来て「お母さんの知り合いだけど、寄付を集めに来たのよ。留守では困ったわ」と言いました。なぜか私は“困っている人を助けるための寄付を集めている”と思い込みました。その後のやり取りは覚えていませんが、私は自分のお小遣いをその人に渡しました。私は困っている人を助けることをしたのだ、と良い気分になっていました。

 

ところが帰ってきた両親に報告をすると、「だまされちゃったのねー」と言って笑われてしまいました。

今ならば大きな問題になったかもしれません。けれども私がその人に渡したのは小銭ていどのお金でしたし、私の話も要領を得なかったので両親はあまり大事(おおごと)には考えなかったのでしょう。

 

私は自分の人助けの気持ちが分かってもらえなかったこと、大人にだまされてしまったらしいこと、お小遣いをなくしてしまったことなどが悲しくて仕方ありませんでした。

 

エピソード①②③の出典は、2023年7月27日第24回交流と学びの会発表原稿より