多種多様な人々と共に生きる(2)

夏の雲を見上げる
夏の雲を見上げる

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。

 

第1回 多種多様な人々と共に生きる

               ―セルフ・カウンセリングよ、ありがとう!         吉田みどり(協会認定講師)

 

「多種多様な人々と共に生きること」をテーマにした、表現に納得感を持った私でしたが、

一方、それは、現実的には、なかなか難しいに違いない、と心の一隅に不安を感じました。

 

なぜならば、正直に言って、開会式は、100%よかったというわけではなくて、違和感を感じる場面もありましたから。

 

私は、セルフ・カウンセリングを学び、無条件に人の存在を受け容れるということを理解してきたつもりでしたが、世界へ目を向けると、私の実感としては、まだまだ受け入れがたい、全く違った概念を持った人々や社会が、この先も立ち現れて来るだろうことをあらためて感じさせられたからです。 

 

でも、もともと、人はみな違うのです。

セルフ・カウンセリングの精神を活かしていくなら、より多くの人と平等であることを分かち合えるはず、と信じたいです。自分の小さい世界に執着していては、自分と違うものを見た時の違和感は<受け入れがたい>で終わりです。

 

そんな時は、その自分の違和感にしっかり向き合い、自分のモノサシを見つけて、思い込みの自分の世界をいったん横において、他者を知ろう、他者を理解しようと開放していく、自由への心のプロセスを大切にする冒険を続けようと思いました。 

 

パリの街はナポレオン3世の頃に、近代都市のモデルとして都市設計され、今も、その歴史を守る美しい光の都です。

聖火の浮かぶチュイルリー公園から、コンコルド広場、シャンゼリゼ―大通り、凱旋門、そしてラ・デファンスまでの一直線に結ばれた、夜景の映像を映しながら、開会式は終わりました。 

 

私は、<セルフ・カウンセリングよ、ありがとう!>と感じていました。

年を取るほどに、私自身、他者との違いを深く感じるのだけれども、だからと言って、孤独に陥るというよりは、他者と共に生きている暖かさをより確かに感じている、とふと思ったからでした。

この不思議な充足感を与えてくれた、パリからの呼びかけを存分に楽しめたことは幸いなことでした。