六年生にもなって、と長男を無視した私

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。

 

日常生活でセルフ・カウンセリングをどのように活用いただいているのか。事例をご紹介いたします。

 

六年生にもなって、と長男を無視した私

 

私は書き終えてから、記述を何度も読み返してみました。

 

私は朝から次男のことばかりに気をとられ、早く幼稚園に行きたいと焦っています。そのため、長男の気持ちをよく聞こうともしていません。

そして、さっさと学校へ電話して、長男が休む手続きをし、私は長男の世話は済んだと思っていました。

 

ところが、長男が「もう行っちゃうの?」と言うのを聞いて、私は長男に対して〈六年生にもなって、何て分からず屋なのかしら〉と思い、聞き分けのないうるさい子と決めつけていたのです。

 

この長男に対する私の態度は、事務的で、いかにも彼の存在が面倒であるかのような彼の気持ちを無視したものだったことにも気づきました。

 

又、次男の入園以来、私の関心が次男に集中していたため、長男の気持ちが見えなくなっていたことに気づきました。

 

もし、長男の気持ち(さびしさとか不安感)を充分に受け止めることができたら、長男の乱暴な言動も生じなかったのではと思います。

長男の気持ちをくみとり、私の気持ちを長男に伝えたら、長男も私が幼稚園に行くことを快く受け入れてくれただろうと思いました。

 

■親の愛情を確かめたかったんだな

 

夕方五時頃、長男がおりてきました。長男は口をとがらせていました。

私は長男のいかにも不機嫌そうな顔をみると、かわいいなと思え、なんだか少しおかしくなりました。

私が「気分はどう?お腹空いたでしょ。おうどんでもつくろうか?」と言うと、「なんでもいいから、早く作れ!早くしてよ。

お腹すいてどうしようもないんだから。朝から何も食べてないんだからね!」とぶっきらぼうな返事。

でも、これは、てれくさいからだな、私とコミュケーションを取りたいんじゃないかな、そう思って「はい、はい」と言ってから、私はゆっくりした調子で、長男の顔を見ながら話しました。

 

「でも、本当に良かったね。お腹痛いの治って。お母さん幼稚園に行っててもずっと心配だったのよ」と。

 

長男は私のそばにあった椅子にすわって下を向いたまま、「僕、お母さんが出掛けるっていったとき、ぶんなぐってやりたいと思ったよ、本当に」と低い声で言うと、言い終わるか終わらないうちに、長男のほっぺたに涙が滴り落ち、ポロポロ零れ落ちました。

 

私は〈やっと、本当の気持ちを言ってくれたな。やっぱりそうだったんだな〉と思いました。

 

「ごめんね。お母さん、あなたのこと心配だったけど、勇に気をとられちゃってたの」と言って、次男の今の状態を話しました。

そして、長男が幼稚園に行きはじめた頃のかわいかった様子を話して聞かせました。 

 

長男は黙って聞いていましたが、いつしか涙は止まっていました。

 

私は出来上がったうどんを長男の前に出すと、長男は手の甲で涙を拭いて、食べ始めました。

 

私は、長男のおいしそうに食べる様子をみて、落ち着いてくれて良かった、と思いました。そして、この子は親の愛情を確かめたかったんだな、としみじみ感じました。

 

出展:長男の乱暴な言動は私が原因だった 梅田 節子さん 

 

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コメント: 2
  • #1

    関香澄 (水曜日, 10 4月 2024 07:10)

    孫がそう言う体験中です。

    たまに行くひなので、
    わかるけど、

    親になると中々わかりずらいかも知れません。

    どうしても、目の前のことに囚われるなと思いましたね。

  • #2

    関香澄 様へ ブログ担当者より (水曜日, 10 4月 2024 11:06)

    関香澄さん、ブログへのメッセージを下さり、ありがとうございます。
    お孫様が同じ体験中であること。お孫様の様子を思い浮かべながらブログを読んでくださったことが伝わりました。関さんが仰るように親になると目の前のことに囚われるため、分かりづらいかもしれませんね。たまに来てくれる関さんはお孫様にとってホッとできる存在のように拝察致しました。
    メッセージお待ちしております。