こんにちは。
セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。
理事、監事がセルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。
今回の担当は前回に続き、理事の中村紀典さんです。
【花瓶を割ったのは誰だ!壊した犯人にさせられて(1)】 中村紀典
私には小学3年生の時に起きたことで、絶対に忘れられない思い出があります。
当時は戦後間もなく小学校が不足し、私は近くの高校の教室を借りて通学していました。
私がある日、教室に入ったら、級友たちは鬼ごっこをして教室内を飛び回っていました。ちょうどその時、誰かが教卓にぶつかって、その上にあった花瓶が床に落ちて割れてしまいました。その時、級友たちは、ちょうど教室に入ってきた私を囲んで「中村がやった!中村がやった!」と手を叩いてはやし立てました。私がいくら、「俺ではない」と言っても、多勢に無勢で花瓶を割った犯人に仕立てられてしまいました。戦後の物不足の時代です。さあ大変! その花瓶は間借りしていた高校の備品だったのです。教室に来た先生は「花瓶を割ったのは誰だ」と言いました。皆は「中村だ!」と言いました。私は「ちがう」と言いました。
級友は「中村だ」と言いました。私は「割ったのは私でない」といくら言っても、担任の先生は「皆が、あなたが割ったと言っているのに素直でない!」と言って私を叱りました。そして私は担任の先生に連れられて、高校の先生に謝りに行きました。私は、自分が壊してないので、なかなか謝りませんでした。そしたら担任の先生から、また叱られました。私は仕方なく小さな声で「すみません」と言いました。このことは私には、とても大きなショックなできごとでした。
私は、このことを親にも兄弟にも話しませんでした。話したら、また「お前が悪い」と叱られるのではないかと思い怖くて話せませんでした。
その後、何か事件が起こるたびに、また私のせいにされるのではと不安に駆られてビクビクしていました。このため、何かをするときは自分のせいにならないように慎重になりました。やがて、この事件のことは、私の心の奥深くに、しまい込んでしまったようです。
でも大人になっても、何かの折にフッと当時のことを思い出し嫌な気分になります。(続く)
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岩瀬 弓子 (火曜日, 25 10月 2022 10:52)
メールを拝読させて頂いて、私も思い出したことがありました。
小2の頃に、漢字テストがありました。
四角い枠の中に漢字を書くのですが、枠から漢字の一部分だけが、飛び出てしまいました。答え合わせをすると、隣の席の子も同じ所が飛び出ていました。
私は内心《気が合って嬉しい》と思いました。
しかし、前の席の子が振り返り私の答案用紙を、見て「カンニングをした!」と言いまた。
私は「していないもん!」と繰り返し言いました。
すると、先生は私に近寄り何も言わずに私をジット見ていました。
私は〈先生は私を信用してくれていない〉と思いました。
大好きな先生でしたので、何も声を掛けてくれないことがショックでした。
次の日に、ショックのあまり学校をサボり近くの公園で、ぼんやりブランコに乗っていました。
しばらくすると、保健の先生が迎えに来ました。
担任からは、どうして学校をサボったんだ、と聞かれましたが答えることはできませんでした。
その日のうちに、担任が自宅に来ました。
そして、母から理由を聞かれました。
私は正直に話しました。
母は何も言いませんでした。
しかし私は、信じてくれたのだと思いました。
そんな出来事もあったせいか、子供達が訳の分からないことを言っても しても、そう言うには、そうするには何か理由があるかもしれないと思うようになったのかもしれないと思いました。
投稿者中村から岩瀬さんへ (水曜日, 26 10月 2022 16:41)
「母から理由を聞かれました。私は正直に話しました。
母は何も言いませんでした。しかし私は、信じてくれたのだと思いました。」
ここまで読んで、私はホッとしました。そして、ニコッとしました。
お母さんの前で言えて良かったですね!
そして何も言わなかったお母さんの温かさが伝わってきました。
日頃から親子の会話があったのかなと思いました。